コロナ対策にまつわる本紙記事の見出しが、まだ「新型肺炎」となっていた2年前のきょうである。「不要不急」の4文字が初めて政府の呼び掛けに顔を出した。もう2年か、まだ2年か。感慨は人それぞれだろう▲交通や物流といった社会インフラが不可欠だとの受け止めは、この2年で広まったといえる。ただ、何が不要不急の外出で、どれが違うかの線引きは定まらない。というか、万人がうなずける線など、あるのだろうか▲誰かの不要不急が、別の人にとっては必要火急かもしれない。英語で「音楽のない人生なんて」という意味のうたい文句<NO(ノー) MUSIC(ミュージック)、NO LIFE(ライフ)>がある。誰にも、そんな何かがあるのではないか▲サッカーや野球だったり、旅だったり。一つだけとは限るまい。「映画のない人生なんて」という人々には、寂しいニュースが先ごろ報じられた。東京にある老舗のミニシアター、岩波ホールがコロナ禍のあおりを受け、この夏に幕を下ろすという▲感染防止策として判で押したような人流抑制の方針に、専門家が待ったをかけている。石の上にも三年ということわざもある。そろそろ、人生を取り戻す知恵や工夫の出番である。