因島に生まれ育った少女は、自宅にあった古い世界地図で「友情の島」と呼ばれていた南太平洋の島を見つける。「いつか行こう」と心に決め、大人になって夢を実現させた。その島国トンガを訪れ、青年海外協力隊員として2年滞在したのが後の作家、湊かなえさん▲サンゴ礁の島だから平べったくて、砂浜も白くて、海は真っ青で…。湊さんがかつて、そう語っていたトンガに、大自然が牙をむいた。過去最大規模ともいわれる海底火山の噴火である▲爆発音は、2300キロ先のニュージーランドでも聞こえたそうだ。広島からだと香港辺りになるから驚くほかない。噴煙も巨大で上空16キロまで上がり、北海道の倍ぐらい広がったそうだ。どれほど強い衝撃を島民は受けたのだろう▲噴火の影響は、太平洋の沿岸国には津波となって襲いかかった。日本でも各地で多くの漁船が転覆したり沖に流されたり。8千キロも離れているというのに、容赦しないのが大自然の脅威なのか。改めて突き付けられた▲折しもきょう阪神大震災から27年。自然災害の発生自体を人間に止めることなどできまい。せめて、被害を少しでも減らさねば。まずはトンガに友情の支援を送ろうか。