ウイルスはまだまだ油断ならないが、少しは外へ。そんな思いで新年を過ごしている人は多いのかもしれない。近所のスーパーの初売りが早速にぎわっていた▲正月早々何を買うのか。わが身をさておき、レジ待ちの列でよそさまの買い物かごをのぞくと、酒や菓子に加え、個包装の餅のパックが目についた。保存も調理もしやすい手軽さからコロナ禍でヒットしているという▲粘りが強く、長く伸びる餅。正月に食べる由来は諸説あるものの、古くは「歯固め」の行事だったともいわれている。歯はよわいと読み、齢(よわい)の意味がある。三が日に餅を食べ、歯の根を固めることで齢を重ねようとしたのだろう▲やはりしっかりかむことが大事に違いない。毎年この時期、決まって耳に入るのが、餅による窒息事故のニュースである。東京消防庁は元日に都内で6人が救急搬送され、2人亡くなったと発表していた。餅をのどに詰まらせて亡くなる高齢者の2割が正月三が日に集中していると消費者庁も注意を呼び掛ける▲お年寄りに限るまい。長らくマスクに覆われ、口やのどの筋力が衰える「フレイル」は、もはや誰しもわがことだ。コロナとの闘い、本年も粘っていこう。