「やはり日の丸を着ける選手は育てたい」と抱負を語る佐藤ヘッドコーチ

 中国電力陸上部のヘッドコーチに、OBで北京五輪男子マラソン代表の佐藤敦之氏(43)が就任した。現役時代は全日本実業団対抗駅伝を2度制した黄金期を知り、日の丸を何度も背負った名ランナー。指導者として再建を託された心境を聞いた。(友岡真彦)

【詳報】中国電力・佐藤敦之新ヘッドコーチに聞く

 ▽心技体、バランス良く強化

 ―チーム復帰の経緯は。

 昨秋に坂口(泰)監督から「戻ってこないか」と打診を受けた。一度(京セラ女子陸上部で)指導者をして相当な覚悟とエネルギーが必要だと感じていたので、安請け合いはできなかった。それでも古巣をもう一度強くすることに携われるチャンスはなかなかないと思い「戻ります」と伝えた。

 ―京セラの監督を辞任した2020年8月以降はどうされていましたか。

 20年12月に父が亡くなり、天国で心配なく暮らせるように兄と協力しながら実家を整理していた。メンタルトレーナーの方や指導者の方とオンラインで意見交換することもあった。今振り返ると、いい充電期間だったと捉えている。

 ―チーム状況をどう見ていましたか。

 ここ数年は下降線を描いていた。何とか上昇気流に戻したい。16位だった元日の全日本実業団対抗駅伝を見る限り、総力戦で戦っていたのが垣間見えた。上昇気配は感じた。若手も出てきているし、今後も新しい風を吹かすことができるかなと思う。

 ―具体的な強化方針は。

 キーワードとしては、持ちタイムを1キロにつき2秒縮めること。あとはこれまで強化できていない部分を見つけ出して、強化していく。自信をなくして走れない選手もいるのかなと思うので、心技体をバランス良く強化していきたい。

 今は全日本実業団対抗駅伝の入賞すら知らない選手が多い。今回は8位まで約3分の差があった。100キロなのでそれぞれが自己記録を2、3秒縮めると数字的には3分くらいになる。まずは入賞圏内に入ること。そこに到達しない限り、優勝は夢物語だ。

 ―マラソンで五輪や世界選手権に出場しました。