就実監督の西畑美希さん

 泣いた。優勝の瞬間、1年前はポーカーフェースを決して崩さなかったが、次々と涙がこぼれた。「周りの方の期待がすごく大きくて、応えたかった」。駆け寄ってきた選手を抱きしめた。

【写真】連覇を決め、喜ぶ就実の選手

 連覇の重圧を選手と背負ってきた。注目されず、ノーシードから頂点に駆け上がった昨年とは一転。メンバーが多く残ったチームは1年間、どの大会でも優勝候補だった。どうすれば選手が押しつぶされないかを考え、チームの約束事にしたのは「とにかく力を出し切ること」だった。

 前回は2年生だった双子の深沢めぐみ、つぐみ姉妹の活躍で日本一。注目度は桁違いにアップしたが、日々の練習はぶれなかった。派手なプレーは求めない。「基本に忠実に。簡単なことをいかに丁寧にやるか」にこだわる。基礎的なプレーを繰り返し、凡ミスをなくす練習はいつも緊張感が張り詰めた。

 ただコートを離れれば母校の先輩。選手には「みくさん」の愛称で慕われる。期待と重圧に深沢姉妹が悩む時、「いままでの主将もエースも苦しんできた。それが当たり前だよ」と声を掛けた。歩んできた道を振り返り、寄り添う。

 福山市で生まれ育ち、向丘中でバレーボールを始めた。就実高時代は全国高校総体と国体で日本一。ユニチカ、パイオニアでもプレーした。2015年、母校の監督に就任。福山の実家で暮らしながら後輩とボールを追う。

 優勝インタビューで、深沢姉妹がそれぞれ「みくさんの胸に金メダルを絶対に掛けてあげたかった」と涙声。それを聞き、また涙があふれた。(中橋一誠)

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