2015年5月、ニューヨークの国連総会議場で開かれたNPT再検討会議の閉幕式(共同)

 【ワシントン、北京共同=仲井大祐、大沢心介】米国、中国、ロシア、英国、フランスの核保有五大国首脳は3日、核戦争や軍拡競争を防止するために2国間、多国間の外交的取り組みを引き続き追求する意向を示す共同声明を発表した。「核戦争に勝者はおらず、決して戦ってはならないことを確認する」と表明。中国の馬朝旭外務次官は「5カ国の指導者が核兵器の問題について声明を発表するのは初めて」と意義を強調した。

 バイデン米政権は策定中の新核戦略指針「核体制の見直し(NPR)」で核兵器の役割縮小を模索する。一方、極超音速兵器開発など米中ロの競争は激化している側面もあり、核拡散防止条約(NPT)で核保有が認められた5カ国の軍縮に関する取り組みへの視線は厳しい。声明にはこうした批判をかわす思惑がありそうだ。

 声明は核兵器が使用された場合の甚大な影響に触れ「核兵器が存在し続ける限り、防衛、侵略の抑止、戦争予防を目的とすべきだ」とした。「核保有国間の戦争回避と戦略的リスクの軽減」を最も重要な責務とし、NPTで課された核軍縮交渉義務を守ることも改めて強調。核不拡散に取り組む決意も示した。

【関連記事】

米、核の役割縮小「宣言」検討 新戦略指針、国務次官が回答

「核廃絶へ前進」願った被爆地 オバマ氏広島訪問5年

「使える核」政策に変化も 米大統領選バイデン氏勝利