広島県庁の正面玄関前にある外来用の第1駐車場の敷地について、県が2022年度に新たな使い道を検討することが14日、分かった。周辺で再開発が相次いでいるのを踏まえて、駐車場以外へ転換し、買い物客たちを呼び込めるにぎわい拠点などとして利活用する可能性を探る。
複数の関係者によると、県は今春で耐震化が終わる県庁舎について、今後約20年間使えるとみている。県庁が市中心部の紙屋町・八丁堀地区にある立地を生かし、2613平方メートルの第1駐車場の敷地を民間事業者に約20年間貸し出すことで、一帯のにぎわいづくりを後押しするシナリオなどを想定している。
22年度は有識者や企業にニーズを聞いたり、敷地の地下を掘る調査をしたりすると計画している。他の自治体による敷地活用の先進事例も調べる。編成中の22年度一般会計当初予算案で、必要経費2300万円を確保する方針でいる。
新たな利活用を始めても、一部は駐車場として残す可能性がある。駐車場のサービスが低下するのを避けるためで、県民にとってどんな形がいいのか練る。
最大93台が駐車できる第1駐車場の利用料金は平日午前8時~午後6時で10分100円。県庁に用務があれば無料になる。20年度は1日平均で342台の利用があり、東側の第2駐車場(52台)と合わせた県の収入は2444万円だった。
県庁周辺では、広島市による中央公園広場(中区)でのサッカースタジアム建設や、市営基町駐車場一帯(中区)の再開発事業などが進んでいる。これらを踏まえて、県庁駐車場の有効活用について検討を求める声が、県議会から出ていたという。(河野揚)