休業に入った9日、大広間の片付けをする多津満の原さん(撮影・荒木肇)

 広島、山口両県で新型コロナウイルス対応の「まん延防止等重点措置」の適用が始まった9日、再び打撃を受ける対象区域の飲食店主たちはため息を漏らした。新変異株「オミクロン株」の感染力を踏まえた対策に理解を示す一方、県の認証を受けても酒の提供ができない厳しい要請への疑問も聞かれた。観光地にも落胆が広がっている。

 広島市内では営業時間短縮と酒の提供停止の要請を受け、休業に踏み切る飲食店が相次いだ。中区の日本料理店「多津満(たつま)」は、営業には酒の提供が欠かせないとして同日から休業。1月末までの約20件の予約もキャンセルすることに。若おかみの原優子さん(37)が、当面使わない大広間の片付けに追われていた。

 両県は今回、感染対策を講じた認証店にも酒の提供停止を求めた。政府が認証店では酒を提供することも可能とする中、踏み込んで判断した。同店も「広島積極ガード店ゴールド」認証店。原さんは「想像以上の急拡大で仕方ないのかな」としつつ、「せっかく認証店になったメリットは何だったのか、という違和感はある」と打ち明けた。

 福山市のJR福山駅周辺でも時短や休業が目立った。老舗の飲食店「自由軒」は午後10時の閉店を同8時に早めた。店を営む住村美鈴さん(70)は「2~3割に落ち込んだ売り上げが8割前後に戻ったところだった。とにかく一日も早く普通の状態に戻ってほしい」と願っていた。