伊勢神宮の参拝を終え、年頭の記者会見をする岸田首相(4日午後、三重県伊勢市)

 岸田文雄首相(広島1区)が4日、年頭記者会見に臨むなどして2022年を始動した。就任から3カ月。政策や理念を訴える助走期間は終わり、成果が問われる局面に入る。思い入れの強い核兵器廃絶への歩みと経済政策をスローガンに終わらせず、どう実行に移すのか。現状を踏まえ課題を探った。

 【核兵器廃絶】「橋渡し」行動必要

 「核兵器のない世界の実現に向け、引き続き全力を注いでいく」。首相は年頭会見で被爆地広島選出のリーダーとして使命感を強調したものの、被爆者の期待とは裏腹に具体的な行動が伴っているとは言い難い。

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 象徴的なのが核兵器の開発や使用を禁じる核兵器禁止条約への向き合い方だ。首相は「核兵器のない世界の出口ともいえる重要な条約」と意義を認めつつ、3月にオーストリアで開かれる予定の第1回締約国会議へのオブザーバー参加に慎重な姿勢を崩さない。

 理由に挙げるのが同盟国であり核兵器保有国でもある米国との関係だ。バイデン大統領の理解を得ることが前提とのスタンスだが、訪米と首脳会談は新型コロナウイルスのオミクロン株感染拡大で見通しが立たない。首相周辺は「できるだけ早い実現へチャンスをうかがっていく」とする。

 最も重視する核拡散防止条約(NPT)再検討会議も4度目の延期が決まり、今夏の開催が有力視される。米中ロ英仏の核保有五大国が核戦争回避に向けて出した共同声明の履行を促し、核軍縮に道筋を付けられるか。自任する核保有国と非保有国の「橋渡し役」の真価が問われる。

 【経済政策】 実行段階へと移行