衆院予算委で答弁する岸田首相

 政府による18歳以下への10万円相当の給付で13日、岸田文雄首相が年内の現金一括給付を容認する方針を示したのを受け、広島県内の市町でも戸惑いや驚きが広がった。国が掲げてきた「現金5万円の先行給付」に沿って市町が動き出していた中での方針転換。「せめて先週だったら…」との声も漏れてくる。

【一覧】23市町の一括給付の検討状況は

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 10万円給付の財源は国だが、給付の事務を担うのは各市町だ。23市町に現金10万円の一括給付を検討するか尋ねたところ、7市町が「検討しない」と答えた。廿日市市は中学生以下への5万円給付が24日に迫り、給付通知を既に発送済み。「今更変えられない。方法があれば教えてほしい」とこぼした。世羅町は「案内を発送し直すと混乱する恐れがある」とした。江田島市や大崎上島町も変更は間に合わないとしている。

 先行の5万円分について児童手当の振り込み用の口座が使える中学生以下は、既に通知の発送や予算の計上を終えている市町が多い。「せめて先週中に決定していたら年内に一括給付できたのではないか」と本音を明かす担当者もいた。

 「どちらとも言えない」と答えたのは13市町に上ったが、実際には困難視するケースが多い。広島市は「年内に追加の予算を計上できない」、呉市は「変更可能か基準がない中で判断できない」、尾道市や東広島市は「日程的に厳しい」とした。中学生以下への5万円支給を県内で最も早い22日に予定する神石高原町も「正直どうしようという気持ち。町内部で協議がいる」とした。

 「検討する」と答えたのは福山市だけで、「子育て家庭の望みに応えたい」と説明した。坂町は「検討済みで、国の制度が整えば実施する」と回答した。

 全額を現金で給付する意向を示している安芸高田市は、岸田首相の発言を「自治体の実情を踏まえた対応」と評価した。ただ、一括給付は「予算確保や事務手続きを考えれば困難と判断した」としている。

 国はこれまで現金5万円とクーポン5万円に分けて配る方式を基本としてきた。クーポン給付については、現時点ではどちらか決めていない市町が目立った。三次市は「クーポンは印刷代などコストが課題。地域経済への効果を見極めて判断する」とした。府中町や海田町は国の正式通知を待つという。

 大崎上島町は「現金の方が経費が抑えられ、迅速に給付できる」と歓迎。江田島市や府中市、廿日市市なども現金の方向で検討する。一方、大竹市は「市内でクーポンを消費する仕組みを作れるのなら、事務費がかかっても採用したい」としている。 

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