ミュンヘンの見本市に出展した明星ゴム工業のブース

 明星ゴム工業(現ミカサ)に入社して3年くらいたった頃、初めて海外に出張した。手作業だった人工皮革の裁断に機械を導入するために当時の西ドイツへ。国内に高度な技術の自動裁断機はなくてね。羽田空港から北米を経由してハンブルクに入り、汽車に乗ってやっと着いた田舎町だった。工場に入ると、中で働く人が思ったより少ない。機械化が進んでいるんだと実感したね。

 自動裁断機は当時の金額で2千万円くらい。こんなに高いのかと思ったよ。でも会社は導入を決めた。技術の導入には積極的で、今思えば判断は合理的だった。実際に自動裁断機1台で手作業は不要になり、作業効率がぐんと上がったんだから。