昭和54年5月28日の中日戦。広島の先発メンバーの中から、衣笠の名前が消えていた

 ▽チームも下位低迷

 「プロ」とは、すべて数字で評価を決める世界である。元南海監督の鶴岡一人(現解説者)は「グラウンドにゼニが落ちている」との名言を吐いたが、最終的には立派な結果を残さなければゼニにはならない。「3割」あるいは「1、2点台の防御率」…。多くの選手は水準以上の成績を維持するため、シーズン終盤に“公休”をとったりして帳尻を合わせるが、衣笠の場合は違っていた。「オレは野球が好きなんだ。シーズン中はとにかく最後まで野球がしたいんだ」といって試合に出た。