湊直樹さん(しまね海洋館アクアス館長)

 「シロイルカのバブルリング」といえば水族館「アクアス」。昨年7月、館長に就任し、実現したいことがあった。障がいのある方の就労支援だ。具体的には、シロイルカの調餌作業(餌の準備)の一部を障がいのある方が働くため、または働く訓練をするための就労継続支援事業所に委託する試み。水族館では全国的にも珍しい。作業内容や工賃単価の設定等を通し、議論が難航する中、スタッフから出た一言「地域貢献の一翼を担えることはありがたい!」。アクアスの「より幅広い視点で地域へ貢献できる高い可能性」を感じた瞬間だった。

▶障害者たちシロイルカの餌準備「やりがいが強い」

 きっかけとなったのは2年前、島根県在職中に経験した障がいのある方の「就労体験プロジェクト」。関東圏のサッカーJリーグやバスケットボールBリーグのクラブにおいて、障がいのある方が健常者と一緒にチケットのもぎりやいす拭き等を体験する活動で、東京都渋谷区のNPO法人ピープルデザイン研究所が手掛ける。障がいのある方の可能性を花開かせ、バリアフリーの概念からさらに進化し、ダイバーシティー=多様な人材を活(い)かす=の実現を促す希望ある取り組みだ。