広島県で新型コロナウイルスの感染急拡大が止まらず、県が6日、「まん延防止等重点措置」の適用を政府に要請する事態に至った。ワクチン接種が進み、「第6波」では拡大の速度が緩やかになると予測していたが、新変異株「オミクロン株」の出現で状況は一変。宿泊療養施設(ホテル)や自宅での療養者の増加に備えた医療提供体制の構築が急務となっている。

【グラフ】広島県の新型コロナウイルス感染者数と医療提供状況

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 「想像を絶する感染拡大のスピードだ」。重点措置の要請後に記者会見した湯崎英彦知事は、年末から右上へ急カーブを描いた感染状況のグラフを示し、危機感をあらわにした。

 県がこれほどの感染急拡大を認識したのは5日だった。広島市だけで1日に100人を超す新規感染者が出ると見込まれた。このまま2日間で倍増するペースが続けば、新規感染者は16日に1日当たり8千人に達するという試算に、一気に危機感を強めたという。県の担当者は「米国などの状況をみれば、決して非現実的ではない」と言う。

 県は拡大のきっかけとして、岩国市の米軍岩国基地での感染拡大があるとみている。岩国市と行き来したり、市から訪れた人と飲食したりした感染者が県内で複数発生。そこに年末年始が重なって人の流れや接触機会が増え、オミクロン株の市中感染が広がったという流れだ。