靴下を整える佐藤さん。素材は、廃棄されるはずだった糸からできている=福山市(撮影・井上貴博)

 自然環境に優しいおしゃれを楽しむ人が中国地方で増えている。捨てられるはずの素材でできた衣料品を身に着けたり、汚れた服を染め直して使い続けたり。今年は、「かけがえのない地球」をテーマに初めて国際的に環境問題を討議した国連人間環境会議から50周年の節目。地球への負荷が少ない服を選び、長く着続ける。そんなファッションを心掛けたい。

 赤いスニーカーに合う、厚手でゆったりした白の靴下。福山市の会社員佐藤俊輔さん(38)の愛用品は、本来は捨てられるはずだったデニム生地用の糸の余りでできている。デニム由来の弾力性があり、佐藤さんは「柔らかな締め付け感がちょうどよく、長時間はいても足が楽」と喜ぶ。

 無理をせずエコな生活を送りたいと考えている佐藤さん。「靴下なら、さりげなく普段の生活に取り入れられるのがいい」と、今後買い足す予定だ。

 靴下を手掛けるのはデニム生地製造の篠原テキスタイル(福山市)。新規事業開発リーダーの篠原由起さん(39)によると、同社は毎月10トン購入する糸のうち、約2%は捨てざるを得ない。糸を染める作業の工程上、使えない部分がどうしても出るからだ。廃棄を減らそうと再利用を考えた。「安いだけが売りだと、使い捨てされてしまう」と、ふんわりとした編み方にこだわって1足1320円でオンラインショップや地元の雑貨店で売る。

 ▽藍色に染め「またこのTシャツと…」

 岡山市北区のフリーカメラマン能瀬大智さん(25)は、汚れた白いTシャツを企業に頼んで藍色に染め直した。Tシャツは、大学時代に授業を受ける時や遊びの際にしょっちゅう着ていたお気に入り。コーヒーをこぼすなどして汚し、クローゼットにしまったままになっていた。