左から広島電鉄の椋田昌夫社長、備北交通の山根英徳社長、JR西日本の蔵原潮支社長

 JR芸備線と高速バスの片道券をセットにした往復切符「バス&レールどっちも割きっぷ」。異色の切符は、三次市の福岡誠志市長の提案がキックオフとなった。「芸備線と高速バスを行きと帰りで使い分けられる切符を作れませんか」。

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 この提案は芸備線の利用促進に力を入れたいJR西日本にとって渡りに船だった。広島支社の蔵原潮支社長は、大阪の本社で割引切符の企画に携わった経験に照らし「異例の切符だが、勘所を押さえれば本社の了承は得られる」と確信した。

 蔵原支社長とパイプを築いていた広電と備北交通の社長も快諾し、商品化へと話は一気に進んだ。スピーディーに発売にこぎつけるため、社内調整が大がかりになるJRの窓口では販売せず、広電と備北交通の窓口だけで扱うことにした。

 発案者の三次市は、公共交通支援の予算から200万円をひねり出し、「どっちも割」1枚につき900円分の補助金を支出すると決めた。3社も自助努力で計470円分を値引きした結果、広島駅―三次駅間で往復1500円という破格値の切符が実現した。

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 広島―三次間は、マイカーだと高速道の通行料金とガソリン代で往復約6千円かかるだけに、「どっちも割」の安さが際立つ。備北交通によると、11月末までに売れた枚数は約1200枚。初回印刷分(千枚)が尽き、あわてて2千枚を増刷したという。

▽採算面は大丈夫か―