奈良県の児童が折った千羽鶴をブースにつるす前田本部長(右)たち

 奈良県内の小学校約60校から託された折り鶴が15日、平和記念公園(広島市中区)の「原爆の子の像」にささげられた。修学旅行の事前学習として各校で児童が折ったものの、新型コロナウイルス禍で相次ぎ旅行は中止に。そこで奈良市の旅行会社が代理で届けた。

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 「ロイヤルツーリスト」の社員6人が像のそばのブースに千羽鶴約40束を丁寧につるしたり、折り鶴アートを掲げたりした。幅約1メートル、奥行きと高さ約2メートルのブースを3時間の作業で満杯にした。折り鶴を映しながら「大福小学校の折り鶴をささげます」などと説明する動画も全校分を撮影。原爆ドームや被爆アオギリの紹介を合わせてDVDにまとめ、各校に寄贈する。

 同社によると、奈良県内の公立小194校のうち190校が広島を修学旅行先にしてきた。しかし昨年以降、多くが近場の関西圏に変更している。

 営業本部長の前田潤一さん(46)は、学校側から昨年末、広島訪問を心待ちにしながら児童が折った千羽鶴を校内で保管したままだ、と相談された。貴重な平和学習の機会となる広島旅行の意義を忘れないでほしい、と折り鶴を預かり無償で届ける企画を開始。各校に呼び掛け、反響を得た。

 耳成(みみなし)南小(橿原市)の増田憲司校長は「2年連続で広島に行けなかった。児童みんなで鶴を折り、平和へのメッセージを書き込んだ。届けてくれてありがたい」。前田さんは「自分たちの鶴がささげられた映像を見ながら、広島に思いを寄せ続け、平和を感じてほしい」と話していた。(湯浅梨奈)