7歳のわが子は、平日は米国の現地校、土曜日は日本語補習校と、二つの学校に通っている。新型コロナウイルスの影響で現地校は、2020年にいったん休校になった後、オンラインか登校のいずれかを選ぶ形式を経て登校のみの態勢に戻った。今回は、パンデミック(世界的大流行)とは関係なく、米国の学校に子どもを通わせてみて知ったこと、特に、感心したことなどプラスの点について書きたい。

 まず、驚かされるのは、大雨や雪などの悪天候で休校にするときの決断の早さだ。早いときには前日の朝に連絡がある。きっと当日の朝に休校を決断したら、仕事との兼ね合いで困る保護者がいるのだろう。共働きの家庭が多く、学校が休みになれば預け先を手配しなければならないのだ。学校からの連絡はまず電話(録音された音声)で、次にメールが届き、さらに学校との連絡用アプリにも投稿がある。この素早い決断と、3重の連絡体制はとても良いと思う。ちょっとの雪でも休みになるので最初は驚いたけれど、ひどくなってから迎えに行くよりはいい。そして、電話に出られないことのよくある私としては、どれか一つはキャッチできる3重の連絡体制はありがたい。

 次に、物珍しかったのは「ハウスシステム」。「ハリーポッター」シリーズの映画を見たことがある人、あるいは本を読んだことがある人は多いのではないだろうか。主人公ハリーが通う全寮制の「ホグワーツ魔法魔術学校」には、学年を超えた縦割りの「ハウス」なるものが四つあり、それぞれの特色を生かしてスポーツや学業、生活全般で競い合っている。これはイギリスの学校に起源を持つシステムだそうだが、わが子が通う小学校にも採り入れられている。四つのハウスそれぞれにテーマカラーがあり、ハウスデーにはその色の服で登校することが奨励される。そして、ポイント制によって競い合い、学期末に最も高いポイントを獲得したハウスは、映画鑑賞とピザパーティーの特権を勝ち取る。なんとも米国らしい。ゲームが好きな子どもの心理をうまく使っているなと思う。

 最後に、毎年同じ学年を担任する制度と、各クラスの人数の少なさ。先生は基本的に毎年、同じ学年を受け持ち、同じ教室を使う。そのため、各教室にはさまざまな飾り付けがなされ、机やいすの配置、整理整頓も工夫されている。また、各クラスの人数は少なく、20人程度。年齢別に基準が設けられているようだ。私が通ったころの日本の小学校は、1クラスに児童が35人前後だったと記憶している。少し想像しただけでも、一人一人の生徒に目を配るのは至難の業だろう。そして、毎年違う学年を受け持つというのも、なかなかに負担が大きそうだ。この辺りは、日本の学校でぜひ改善してほしい。

 子どもが外国の学校で学ぶというのは、親にとって驚きと発見の連続だ。いつか日本に帰国したら、私自身も、そしてわが子も最初は戸惑うと思うけれど、ぜひ違いを面白がって楽しめたらと願っている。

(渕川陽子=米テネシー州在住)

学校の正面に掲げられたハウスフラッグ