広島市ひろしまし東区ひがしく矢賀やがしょうにある増本量ますもとはかるさんの胸像きょうぞう

 磁石じしゃくというとみなさんはなにおもかべますか。科学かがく実験じっけんやおもちゃを想像そうぞうするひとおおいとおもいます。わたしたちのまわりでも掃除機そうじき冷蔵れいぞう、ラジオ、パソコンなどの電化でんか製品せいひんのほか、電車でんしゃ自動車じどうしゃなどの交通こうつう機関きかんにも使用しようされています。このように磁石じしゃくは、毎日まいにち生活せいかつかせないもののひとつとなっています。

 さて磁石じしゃくにはいろいろな種類しゅるいがあることをっていますか。今回こんかいはそのおはなしをしましょう。

 もともと磁石じしゃくは、紀元きげんぜんのギリシャや中国ちゅうごく自然しぜんなかにあるいしとして発見はっけんされたといわれています。現在げんざいのように、工場こうじょう大量たいりょう製造せいぞうした人工的じんこうてき磁石じしゃく使つかうようになったのは、20世紀せいきはいってからです。

 その当時とうじもっとこう性能せいのう磁石じしゃくとして生産せいさんはじまり、ながあいだ主流しゅりゅうとなったのが「アルニコ磁石じしゃく」です。てつやアルミニウム、ニッケル、コバルトなどの元素げんそ原料げんりょうにしてつくられ、温度おんど影響えいきょうされにくいのが特徴とくちょうです。現在げんざいでもスピーカーや楽器がっきなどに使用しようされています。

広島市ひろしまし東区ひがしく矢賀やがしょうにある増本量ますもとはかるさんの胸像きょうぞう

 このアルニコ磁石じしゃくのもとになる磁石じしゃく「KSこう」を発明はつめいしたのは東北大とうほくだい本多ほんだ光太郎こうたろうさんです。

 さらに広島県ひろしまけん安芸あきぐん矢賀やがむら(げん広島市ひろしまし東区ひがしく矢賀やが)出身しゅっしん増本量ますもとはかるさんは、KSこう発展はってんさせた「しんKSこう」を発明はつめいしました。磁石じしゃく広島ひろしまともゆかりがあったのですね。

 1960ねん以降いこうにアルニコ磁石じしゃく価格かかくたかくなると、安価あんかで、さまざまなかたちつくれる「フェライト磁石じしゃく」が主流しゅりゅうになりました。てつ酸化物さんかぶつからできています。

 この磁石じしゃく現在げんざい世界せかいもっとおお生産せいさんされており、さまざまな方面ほうめんもちいられています。フェライト磁石じしゃく発明はつめいしたのも東京とうきょう工業こうぎょうだい加藤かとう五郎ごろうさん、武井たけいたけしさんたち日本にほん研究者けんきゅうしゃでした。

 現在げんざい磁石じしゃく(電磁石でんじしゃくのぞく)のなかもっと強力きょうりょくなのが「ネオジム磁石じしゃく」です。てつ以外いがいにネオジムという元素げんそおおふくみます。さびやすいためメッキ加工かこう必要ひつようで、高価こうかねつよわいという欠点けってんがあるものの、最新さいしんのテクノロジーをかした精密せいみつ機器ききにはかせません。

 じつはこのネオジム磁石じしゃく発明はつめいにも、住友特殊金属すみともとくしゅきんぞく(現在げんざい日立ひたち金属きんぞく)にいた佐川さがわ真人まさとさんたち日本人にほんじんおおきな役割やくわりたしていたのです。

 磁石じしゃく研究けんきゅう改良かいりょうは20世紀せいきはいってから劇的げきてきすすみました。KSこうとネオジム磁石じしゃくくらべると、磁石じしゃくつよさだけでも50ばい以上いじょう向上こうじょうしています。その開発かいはつふかかかわってきたのが日本人にほんじんだったのです。今度こんど磁石じしゃく使つかったときにはそんなこともおもかべてみてくださいね。

(5-Daysこども文化ぶんか科学館かがくかん主任しゅにん指導しどう主事しゅじ矢野やの宏和ひろかず)

※2020年3月ちゅーピー子ども新聞掲載記事より