家族や結婚の在り方が多様化する中で、自分らしい生き方を考えるためのワークショップが14日、オンラインで開催されました。ワークライフバランスコンサルタントの森田ひとみさんによるゲストトークやグループワークが行われました。
●ゲストトーク「家族と自分らしい生き方」
無意識の偏見なくそう

ワークライフバランスコンサルタント
森田ひとみさん
近年、家庭での役割分担についての意識は変わりつつあります。内閣府の調査では、「夫は外で働き、妻は家庭を守るべき」という考え方に、女性の約63%、男性の約55.6%が「反対」「どちらかといえば反対」と回答。20、30代では約60%の男性が「家事・育児の分担は当然」と考えています。しかし家事に従事する時間を調べた総務省の統計では、女性が3時間7分であるのに対し、男性は17分という結果も出ています。「男のくせに」「女らしくあれ」「家族はこうあるべき」といった無意識の偏見が今も根強く残っているのではないでしょうか。
現代は、結婚の形もさまざまです。法律婚や事実婚、同性婚はもちろん、週末婚や別居婚、シルバー婚など多様化が進んでいます。一方で、非血縁者による共同生活や単身世帯も増えるなど、家族の形も変化しています。多様な価値観を知り、納得できる生き方を見つけましょう。

●第4回グループワーク
理想や目標掲げて挑戦

リエゾン地域福祉研究所代表理事
丸山法子さん
リエゾン地域福祉研究所代表理事の丸山法子さんがファシリテーターを務め、参加者13人とグループワークを展開しました。A~Cの3グループに分かれ「日ごろ感じている家族への違和感や課題」「解決のためのアイデア」をまとめ、森田さん、丸山さんと話しました。
Aグループは「家族だから言いにくいことがある」という課題を挙げ、「家族と自分の違いを検討し、柔軟に考えるべき」と意見を述べました。
Bグループは、家族への違和感として「親戚が家に集まると、女性らは台所で調理を手伝う」などの事例を披露。家事分担に関しては、「相手を思いやり、役割を決めておく」と提案しました。
Cグループは「一緒にいるのに寂しさを感じる」と語り、「LINE(ライン)などを使ってコミュニケーションを図る」といったアイデアを発表しました。
各グループの意見を聞き森田さんは「固定観念に縛られず、理想や目標を掲げ、挑んでほしい」と期待を寄せました。

●これまでのグループワーク
第1回(2021年12月22日実施)
テーマ 男性もしくは女性の少ない職場における問題~アスリートとして活躍する女性の「わたしらしい生き方」~
ゲスト/広島県・中四国女子野球アンバサダー 野々村聡子さん、ファシリテーター/編集者・ライター 大須賀あいさん 参加者/主に10~30代の15人
野々村聡子さん
職場におけるマイノリティや不平等の解消について、男女の固定概念をなくした上で「まずは受け入れる」「気付きを友人や家族に話して共有する」などの声が上がりました。
第2回(2022年1月30日実施)
テーマ ちょっとどうなん?就活事情
ゲスト/中国新聞社報道センター記者 栾暁雨さん、ファシリテーター/リエゾン地域福祉研究所代表理事 丸山法子さん 参加者/主に10~30代の14人
栾暁雨さん
「就活する上で、まず各企業のルールや社会のマナーを知ることが大切」「自分の個性を相手に分かるように伝えることが必要」などの意見が出ました。
第3回(2022年2月19日実施)
テーマ 女性活躍の現状と課題~わたしらしく働ける社会を考えるリアルトーク~
ゲスト/広島電鉄 嶋治美帆子さん、ワーキンエージェント 藤原輝さん 参加者/10~30代の男女38人
解決策として「一人一人の意識改革や環境づくりが必要」や「仲間を見付け社内で発信する」などが挙がりました。

藤原輝さん

嶋治美帆子さん
主催:広島県
4月以降のワークショップについては広島県わたしらしい生き方応援課まで。
電話082(513)2746
企画・制作/中国新聞社地域ビジネス局