SDGs(持続可能な開発目標)について広島県内の現状を伝えるシリーズ「SDGsひろしまファクト」第2回のテーマは、目標3「すべての人に健康と福祉を」と目標4「質の高い教育をみんなに」です。都市部と、家がまばらで少子高齢化も進む中山間地域では医療と教育の環境が異なっているのが現状。対策を考え向き合う動きも広がっています。(服部良祐)
 
 

 へき地医療に詳しい広島大医学部(広島市南区)の松本正俊教授に現状と課題を聞きました。松本教授は「医師の偏りは生命にかかわる問題」と指摘します。

 

 深刻なのは中山間地域と都市部の「格差」です。人口10万人当たりの医師数は神石高原町や大崎上島町で100人に満たないのに比べ、病院が多い広島市南区は10倍近い827人です(2020年)。医療機関が集落にない無医地区では、救急搬送の時間が長くなるケースがあり得ます。持病のある人が遠方のかかりつけ医へ通うのも一苦労でしょう。

 偏りの解消は難しいのが実態です。公立校の教員や警察官と異なり、自治体は原則、医師配置の権限を持ちません。04年には臨床研修制度が変わって大学病院の人手不足が進み、医師を送りづらくなりました。広島県は医学部が1大学だけと人口に比べて少なく、養成の力が弱い点もあります。

 対策の一つとして広島大医学部には県内出身者向けの「ふるさと枠」があります。自治医科大(栃木県)にも広島県枠があります。学費貸与などで優遇され、卒業後は地域の医療機関に勤めることになります。中山間地域にはやりがいがあります。患者から切実に必要とされ感謝されるからです。医学部を志す人に、ぜひ目指してほしいですね。

中山間地域にある小規模な公立高のいま