毎日の生活で欠かせないものの一つとして、電気がありますね。これがないとテレビを見たり、ゲームで遊んだりすることもできません。みなさんは、「電気はどうやってつくられるのか」ということを考えたことがありますか。仕組みについて考えてみましょう。
冷蔵庫やクーラーを使えるほどの電気をつくろうとすると大変ですが、少しの電気であれば、実は電線をぐるぐる巻いたコイルと磁石があればつくることができます。
図のようにコイルの近くで磁石をすばやく動かすだけで、なんと電気ができるのです。このようにして電気をつくり出すことを最初に発見したのは、イギリスの科学者ファラデーです。今から200年近く前の、1831年のことでした。

その後、この原理を利用してより効率的に発電させるために、図のように磁石を回転させる仕組みが考え出されました。現在多くの発電機に使用されているのがこの方式です。身近なところでは、自転車のライトの発電機に使われているので、この方式で発電したことがある人も多いかもしれませんね。
私たちが家庭で使っている電気は一般的に、電力会社から送られてきたものです。その電気のほとんどは、磁石をいろいろな方法で回転させて発電したものです。
例えば、水力発電はダムなどでせき止めた水を高いところから低いところへ落とし、その落ちる時の力を利用して水車を回して電気をつくります。
火力発電では重油や液化天然ガスなどの燃料を燃やして、原子力発電ではウランなどの核分裂により発生した熱を利用して、それぞれ水を沸騰させて蒸気をつくり、その蒸気の力で羽根車を回転させて電気をつくり出しています。その他にも電気のつくり方はさまざまあるので、みなさんも調べてみてください。
(広島市こども文化科学館・矢野宏和)
※2016年3月ちゅーピー子ども新聞掲載記事より