太陽光発電所の壊れた太陽光パネル(手前)
カラスが落としたとみられる小石で、太陽光発電所(広島県大崎上島町)の太陽光パネルが壊れる被害が相次いでいます。飛んでくる様子や習性などから、カラスが「犯人」の可能性が高いと専門家は指摘しています。
発電所にはパネル約5万6千枚が並んでいます。敷地はフェンスで囲まれ、関係者以外は入れません。
取材のため記者は3月、発電所に入りました。すると、表面のカバーガラスがひび割れたパネルが所々にありました。近くの地面で、敷き詰められた石とは違う小石が見つかりました。発電所北側の小山ではカラスの群れを確認できました。
発電事業者との連絡窓口を務める会社によると、2015年から毎年10~50枚を超える被害があり、冬に集中しています。
「カラス博士」として知られる宇都宮大の名誉教授の杉田昭栄さんは、物をくわえて落とすカラスの習性に注目しています。
カラスは、石を落とす行いを「遊び」にしているのではと指摘します。ぶつかる音を楽しんでいることも考えられるそうです。
パネルの被害が多い冬は、群れをつくる時期と重なるとし、「1羽が始めた行動を他の個体がまねて、集団の遊びとして引き継がれている可能性がある」と分析しています。