中国新聞社は8日、中国地方5県の市町村長を対象にした地方政治に関するアンケートの結果をまとめた。回答者の6割が、無投票の当選でも「有権者の信任を得た」とし、有権者の審判を経ない「無風」の政治情勢を受け入れている一端が浮かんだ。今年もすでに府中市などの6市町長選が無投票になっている。

 中国5県の全107市町村長を対象に、23項目のアンケートフォームを5月に電子メールで送信。92人から回答を得た(回収率86・0%)。

 無投票で首長選に当選した場合に「有権者の信任を得たことになるか」との問いに、60・9%(56人)が「はい」と答えた。「いいえ」はわずか22%2人)で、「どちらともいえない」が34・8%(32人)。2人が無回答だった。

 中国新聞社が2021年に広島県内の地方議員にしたアンケートの同じ質問では「いいえ」が63・3%、「はい」が29・8%だった。首長は対立候補が出ない状況を含め、事実上の信任と捉えている傾向が表れた。中国5県では00年以降、現在の107市町村のうち83市町村(77・6%)で1回以上、首長選が無投票になっている。

 市町村長へは「多選」の考えも問うた。48・9%(45人)は多選に該当する期数を「4期以上」、19・6%(18人)が「5期以上」とした。中国5県の現職107人のうち4期以上は19人いる。無回答の中には「課題への対処機能が劣化し始めた時が『多選』状態だと考える」(広島市)との意見があった。

 多選の弊害は、48・9%(45人)が「本人が注意すれば防げる」を選択。「行政運営で新たな発想が出にくくなる」が21・7%(20人)、「人事や組織が硬直化する」が98%9人)だった。

 投票率向上策は、積極的な情報発信や主権者教育の充実、若者への働きかけに関する記述が目立った。「期日前投票の期間を短縮し、集中的に選挙広報活動を実施」(広島県熊野町)、「国において、インターネット投票やコンビニ投票など投票しやすい環境整備を進める」(福山市)との提案があった。

首長アンケートの全質問と回答率