2階部分に居住スペースを集めた新居前で、安全な家づくりへの思いを語る宮崎さん=6月26日、広島県坂町(撮影・藤井康正)

 広島、岡山両県を中心に全国各地で深刻な被害をもたらした西日本豪雨から6日で4年を迎えた。災害関連死を含めて犠牲者は300人を超え、平成最悪の豪雨災害となった。被災地では砂防ダムの建設や河川の護岸整備が進み、ようやく自宅を再建できた被災者もいる。国内で大きな災害が毎年のように発生する中、被災の記憶と教訓を継承していく重要性が増している。この4年間の変遷とともに被災者や支援者の思いも紹介する。

終わり見えない土砂搬出「床が見えたとき感動した」 広島県坂町小屋浦

2階部分に居住スペースを集めた新居前で、安全な家づくりへの思いを語る宮崎さん=6月26日、広島県坂町(撮影・藤井康正)

 「とにかく災害に強くて安心できる家にしたかったんです」。土石流が押し寄せた広島県坂町小屋浦地区で、会社員宮崎裕さん(49)と友美さん(43)夫妻が今春に再建した新居の1階部分には玄関と柱しかない。居住スペースはすべて2階へ。夫妻が住み慣れた小屋浦で暮らし続けるために出した答えだった。

 

 裕さんは4年前の7月6日夜、同じ地区内にある友美さんの実家に家族を預け、消防団の活動に加わった。「まさか水害が起きるなんて…」。自宅の片付けは後回しにして連日、地域を駆け回った。取り残された高齢者たちをボートに乗せては安全な場所に運び、行方不明者の捜索にも汗を流した。

 友美さんの生家を譲り受けて夫妻で住み始め、3人の子どもの成長を見守ってきた木造2階建て。リビングなど1階部分は土砂で埋め尽くされた。1週間後、知人の協力も得て土砂を搬出し始めた。