竹本さん兄弟が写るフィルムのカット

 1945年の原爆投下から間もない広島を写したフィルムに、兄に背負われた幼い少年の姿が残っている。頭から頰にかけ包帯を巻き、カメラに目をやる少年は、竹本秀雄さん(80)=広島県呉市倉橋町。被爆から77年を迎える今夏、東広島市内であった集会で、子どもたちに初めて被爆体験を語った。

 当時3歳だった秀雄さんは、爆心地から約1キロの広島市中区大手町の自宅で被爆した。倒壊した家の下敷きになり、兄の定男さん=当時(11)=に助け出された。「家はその後すぐ燃えた。兄がおらんかったら僕はここにはおりません」

 左頰に負った傷は骨が見えるほど深く、傷痕はケロイドになった。19歳の時にケロイドの切除手術を受けた。「削る時のジキッ、ジキッという音は忘れられないね」と振り返る。

 フィルムは、日本映画社(解散)のスタッフたちが撮影した記録映画の一場面。