避難経路を確認しながら移動する参加者

 広島土砂災害で11人が亡くなった広島市安佐南区緑井7丁目の八敷地区で3日夜、避難訓練があった。災害の教訓を継承し、住民の結束を強めようと、地元の自治会「八敷福祉会」が初めて夜間に開いた。住民約180人が避難所までの経路や、暗い中を安全に逃げる心掛けを確認した。

 ▽住民180人、経路や備え確認

 家族連れや高齢者たちが、反射材や夜光ベストを身に着けて参加した。4班に分かれ、別々の駐車場に午後7時に集合。出欠を確認した後、避難所となる佐東公民館に向け、210~570メートルを列になって歩いた。信号機のない交差点や踏切では、各班のリーダー役がメガホンで注意を呼び掛けた。

 約30分で全員が到着。市安佐南消防署の隊員が「夜は移動や状況把握に時間がかかる。日頃から避難経路の確認や、懐中電灯などの備えを怠らないで」と呼び掛けた。

 自宅が被災した山本忠臣さん(78)は「足元が見えづらかった。足が不自由な人やお年寄りたちの避難を、みんなで支える仕組みが必要」と気を引き締めていた。

 2014年8月の土砂災害を受け、同福祉会が15年6月に開いた昼間の避難訓練には304人が参加したが、昨年6月は152人と半減した。関本正隆会長(72)は「災害では、住民の互助の力が頼りになる。月日がたっても、防災意識を持ち続けるため啓発を続けたい」と力を込めた。(木原由維)