広島市は、安佐南区の住宅地を縦断する市道「長束八木線」の整備を加速させる。都市計画決定からおよそ半世紀にもかかわらず、財政難や用地買収の難航で開通区間は3割にとどまっていた。広島土砂災害を受け、八木、緑井地区では避難路と雨水路を兼備する「復興の骨格」として本年度内に事業着手する。市中心部との接続ルートも詰める。

 市によると、JR可部線西側の渋滞緩和を目的に1959年、長束と大町を結ぶ延長約4・3キロを県が都市計画決定。宅地が広がったため68年に区間を延ばし、長束3丁目-八木6丁目の延長8・5キロ(2~4車線)の現計画に変更した。

 現在は大町、祇園地区などの3区間計2・7キロが開通し、1キロを工事中。市道路交通局は「財政難で、用地買収が進んでいなかった」と説明する。

 しかし、土砂災害を受け、被災地一帯で避難路の狭さが課題に浮上。市は復興まちづくりビジョン案に、緑井7丁目-八木4丁目の2・8キロの緊急整備を盛り込んだ。

 緑井8丁目-八木3丁目間の1・5キロを先行。道路地下に雨水を処理する水路も造る。残り1・3キロ区間も2024年度までに完成させる。近く測量、設計を始め、15年度以降に用地買収に入る。

 一方、市は中心部側で国道183号に接続するルートの再検討もしている。新庄橋とつなぐ当初計画では橋上の車線が少なく交通渋滞を招くため。具体的には長束▽西区大芝2丁目▽同1丁目―のいずれかの交差点に取り付ける3案がある。

 それぞれJR可部線との立体交差や太田川放水路の架橋が必要。整備効果などを見極めて絞り込み、23年度ごろの整備着手を目指す。市道路交通局は「実現可能な計画を進めたい」としている。(川手寿志)