車や衣料品などを共有して利用する「シェアリング」が急速に広がっている。ラクサス・テクノロジーズ(広島市中区)は、有名ブランドバッグのシェアリングで事業拡大を図る。18歳の時から主にインターネット事業で次々に会社を起こしてきた児玉昇司社長に、事業展開や起業について聞いた。

(聞き手は、安田女子大・小西望、広島市立大・神津圭佑、広島女学院大・吉川晴香)

 ―ブランドバッグのシェアリングサービスを始めたきっかけは何ですか。

 安い物は、人件費の安い国で作られているにすぎない。いつか終わりを迎える。でも、シャネルやセリーヌなどいい物は、買おうとすると高すぎる。借りるという、使うための選択肢を増やしたかった。

 ―朝食無料や「オシャレ手当」などユニークな福利厚生を設けているのはなぜですか。

 給料を上げても変わらない生活習慣を、福利厚生でいい方向に変えたいから。というのも、始業時刻ぎりぎりに来る人は朝ご飯を食べて来ないケースが多い。すると、昼食を多く食べて午後に眠くなる。会社で提供する朝食を食べることで、仕事の効率が高まる。

 また、給料でなく「オシャレ手当」として美容院やネイル代を月1万円まで支給すれば「使わないと損」となる。身ぎれいになれば仕事へのモチベーションも上がると考えた。

 ―今後の事業展開を教えてください。

 投資家がいるので、まず株式の上場をする。そして、海外に出たい。ニューヨーク、パリ、ロンドン、シンガポール、香港で目指す。この5カ所には、保証金を払う文化があるのに加え、ブランド店の路面店があり、現地の人が買っている。

 ―経営者として日々、意識していることはありますか。

 本や新聞を読んでインプットを絶やさないこと。新聞は4紙読んでいる。本は、主にビジネス書を1週間に3冊は読み始めるようにしている。ひらめきは偶然に出るものではない。情報量や経験によるものだ。もうひとつは、常識を疑うこと。人と同じことをしていてはいけない。

 ―10代で起業するのは怖くなかったですか。

 最初の起業は、早稲田大に入って半年後だった。今しかできないことをしようとした。大学は半年で中退したし、その後、中央大法学部にも行ったけど途中でやめた。勉強はいつでもできるので怖くない。

 ―なぜ起業を重ねてきたのですか。

 早稲田大に入ったころ、テレビのコマーシャルで「24時間働けますか」と流れていた。僕は、自由な時間がほしいから、お金(賃金)をもらうのでなく、払う立場になりたいと思った。ゼロから1をつくりだすこと、つまりビジネスをつくることも好きだった。もちろん、そのためにめちゃくちゃ勉強した。

 ―学生時代にすべきことをアドバイスしてください。

 人と異なるスキルを高めるか、本を読むなどして勉強してほしい。特に留学を勧める。英語ができる、留学経験がある、といった自身の希少性を高めてほしい。

 ▽こだま・しょうじ 早稲田大理工学部1年だった1995年、中退してインターネットで家庭教師と生徒をマッチングする事業を起業。個人間での商品売買や通信販売などネット事業での起業や会社売却を経て、新ビジネスとして2015年2月、「ラクサス」を始めた。広島市安佐北区出身。

 ▽ラクサス・テクノロジーズ 本社は広島市中区中町。2006年8月にウェブサービス会社「エス」設立。15年2月に現在の有名ブランドバッグのシェアリングサービスを始めた。17年1月に現社名に変更。日本ニュービジネス協議会連合会(東京)の17年度「ニッポン新事業創出大賞」最優秀賞に選ばれた。東京にもオフィスを構える。資本金16億342万円。売上高は非公表。従業員数85人。

【インタビューを終えて】

 安田女子大4年・小西望(21)

 社長の話や考え方は斬新かつシンプルだった。熱意やストイックさに圧倒されつつも、自分自身も学業、就職活動に、さらに熱を入れる必要があると、身が引き締まる思いになった。

 広島市立大2年・神津圭佑(19)

 学び続けること、そして社会に対して問題意識を持つ大切さを感じた。日頃から本や新聞を通じて情報をインプットし、問題意識を持ちながら行動できる社会人になりたい。

 広島女学院大2年・吉川晴香(19)

 常に世界基準で話す社長の姿に、知識の豊富さと視野の広さが最先端の事業を成功させている理由だと感じた。私も大学生のうちにできるだけ多くのことに取り組み、経験を増やしていく。