▽のどかな世羅台地を一望

 広島県世羅町の世羅台地の北西部に、富士山のような形をした山が三つ南北7キロに並んでいる。いずれも明神山と呼ばれ、それぞれ世羅町の「黒川」「津田」、三次市の「上田」の地域名を冠している。この三山は世羅台地に噴出した火山である。中央の津田明神山(つだみょうじんやま=592・9メートル)を紹介する。

 津田明神山は、県の自然環境保全地域に指定されている。北の麓の「津田明神の備北層群と粗面岩」は県の天然記念物だ。頂上からの眺めは素晴らしく、世羅台地や周囲の山々を望める。

 県道56号(府中世羅三和線)と県道45号(三次大和線)の交差する下津田バス停を起点にする。バス停から車道を西に300メートル進むと古い登山口標識が立つ。「津田の明神山」「頂上まで2キロ」とある。50メートル先には県の自然環境保全地域の案内板も設置されている。

 標識から400メートル北東に向かう。四つつじに県指定天然記念物まで1・1キロの標識が見える。北に進み、未舗装の林道を歩く。やがて道は西に向きを変え、明神山の北側に回り込んだ所に、露出した地層とその説明板がある。

 さらに350メートル回り込んだ西側の分岐から登山道に入る。この分岐には標識がないので要注意だ。ヒノキの植林に入り、南向きの急斜面の谷を登る。ジグザグと高度を上げ、標高550メートルで井戸跡を過ぎ、尾根に出る。この辺りは広い曲輪跡のようだ。

 東に進み頂上の広場に出る。南面は開けており眺望がよい。大土山や鷹ノ巣山、黒川明神山などが連なっている。世羅台地の田園風景が美しい。

 下山は登山道の分岐から南に向かい、津田明神山を一周するように歩く。大隅池の横を通り過ぎる。すぐ先の分岐は左に進み、その次の分岐を右に行くと車道に出る。東に行くと、天然記念物の標識のある四つつじに合流する。下津田バス停に帰る。所要時間2時間半。(松島宏 広島登山研究所代表=広島市)