インフルエンザによる学級・学年閉鎖と休校が、2020年度は中国5県の小中高校や幼稚園などでゼロだったことが1日分かった。5県とも直近の20年間でゼロは初めて。各県は、新型コロナウイルスの流行で感染予防の取り組みが定着し、渡航制限によって海外からの流入も減ったためとみている。

 5県などによると、19年度の学級・学年閉鎖と休校は、広島414件▽山口341件▽岡山569件▽島根281件▽鳥取(9月以降)171件―の報告があったが、いずれもゼロになった。国立感染症研究所のまとめでは、昨秋からのシーズン(昨年8月31日~今年3月7日)は、北海道、山形県、大阪府、福岡県で計6件しか報告がない。

 厚生労働省は、インフルエンザで医療機関を受診した昨秋からの推計患者数は約1万4千人で、その前のシーズンの500分の1と発表。「この冬はインフルエンザの流行がなかった」とした。

 20年度は、新型コロナウイルスの感染者が目立った一方、例年、夏にはやる手足口病や、冬にはやる感染性胃腸炎などの感染者も少なかった。増加が心配されていた麻しんや風しんも減少に転じた。

 広島県感染症・疾病管理センターの桑原正雄センター長は、手洗いやマスク着用などの予防対策の浸透に加え「ある感染症が流行すると他の感染症が抑制される『ウイルス干渉』が起きた可能性もある」と指摘。「ただし油断は禁物。ワクチン接種などで防げる病気は防いでいくことが重要だ」と話している。(衣川圭)