趣味・食・遊ぶ

言ノ葉ノ箱
歌人、作家として活動する東さんが短歌を通じて綴るエッセー。1963年、広島県安佐町(現広島市安佐北区)生まれ。96年、第7回歌壇賞受賞。歌集に『春原さんのリコーダー』『青卵』(ともに本阿弥書店)、小説『長崎くんの指』(マガジンハウス)、『とりつくしま』(筑摩書房)、『ゆずゆずり』(集英社)、『薬屋のタバサ』(新潮社)、『らいほうさんの場所』(文藝春秋)、『甘い水』(リトルモア)、絵本『あめ ぽぽぽ』『ほわほわさくら』(ともにくもん出版)、エッセー集『今日のビタミン*短歌添え*』(本阿弥書店)、詩歌集『回転ドアは、順番に』(穂村弘と共著/ちくま文庫)、などがある。「言ノ葉ノ箱」ではカメラ撮影にも挑んでいます。

記事一覧

  • 空に吸われる (2019/10/30) 

     岩手県で毎年行われている高校の総合文化祭「文芸祭」の講師として盛岡市を訪ねた。盛岡といえば、石川啄木が青春時代を過ごした地である。今を生きる岩手県の高校生らと対話をしつつ、啄木の歌を思い出していた…

  • 神の遊び場 (2019/9/30) 

     宮崎県延岡市に「神さん山」と呼ばれる場所がある。今年2月に宮崎で行われた神話をめぐるイベントに参加した縁で、先月末にまた宮崎を訪ねることになった。  宮崎空港から延岡市を北上し、緑豊かな山道を車で…

  • 佐賀の笹井宏之さん (2019/8/29) 

     今年の夏、全国高校総合文化祭「さが総文」が佐賀県で開かれた。私は、文芸部門の特別講師として、佐賀県有田町出身の歌人、笹井宏之さんについて語った。  笹井さんの最初の歌集は、2008年1月、25歳の…

  • ほおずきに願いを (2019/7/31) 

     東京都文京区にある光源寺では、毎年7月9日と10日に、「四万六千日 ほおずき千成り市」が開かれている。この日にお参りすれば、4万6千日分、つまり126年分の功徳を得られるのだという。間違いなく寿命…

  • 雨の動物園 (2019/6/28) 

     子どものとき、あるいは家に子どもがいたころは何度も行った動物園だが、大人になるとなかなか行かなくなる。でも、大人だけで行くのも乙なものだよね、ということを短歌の仲間と話していて、動物園で吟行をする…

  • 薔薇を感じる (2019/5/31) 

     5月は一年で最も好きな季節である。今年は、その5月の始まりとともに新しい元号になった。元号の変わり目を挟んだ長い連休中は、天候が不安定な日が多く、私の住んでいる東京の多摩地区では、突然の雷雨ととも…

  • 花とアンモナイト (2019/4/30) 

     連休直前の箱根へ、短歌の仲間とともに、箱根湯本へ吟行に出かけた。東京の都市部からも気軽に行ける温泉街として、親子連れや海外からの観光客などでとてもにぎわっている。箱根の山々は、あざやかな新緑が明る…

  • 惑星から惑星へ (2019/3/30) 

     はやぶさは鳥の名前だが、2010年からは、宇宙を思い出す言葉にもなった。小惑星探査機の「はやぶさ」が、はるかな宇宙に飛び立ち、小惑星イトカワのサンプルを採取して戻ってきたのが10年の6月だからであ…

  • 神話のなごり (2019/2/27) 

     「古事記」に描かれている神話の舞台、宮崎県を訪ねた。海幸彦と山幸彦に関する出生の逸話や兄弟間の攻防、その子孫につながる壮大なエピソードなどと結びつく場所が今も残っている。

  • ヒマラヤ杉のあたり (2019/1/30) 

     2007年の1年間、ふらんす堂(出版社)のウェブサイトで短歌日記を連載していた。1月28日には、次の短歌を寄せた。 あんなあ、と言うタケちゃんの物語ヒマラヤ杉のあたりまできた  「タケちゃん」…