趣味・食・遊ぶ

言ノ葉ノ箱
歌人、作家として活動する東さんが短歌を通じて綴るエッセー。1963年、広島県安佐町(現広島市安佐北区)生まれ。96年、第7回歌壇賞受賞。歌集に『春原さんのリコーダー』『青卵』(ともに本阿弥書店)、小説『長崎くんの指』(マガジンハウス)、『とりつくしま』(筑摩書房)、『ゆずゆずり』(集英社)、『薬屋のタバサ』(新潮社)、『らいほうさんの場所』(文藝春秋)、『甘い水』(リトルモア)、絵本『あめ ぽぽぽ』『ほわほわさくら』(ともにくもん出版)、エッセー集『今日のビタミン*短歌添え*』(本阿弥書店)、詩歌集『回転ドアは、順番に』(穂村弘と共著/ちくま文庫)、などがある。「言ノ葉ノ箱」ではカメラ撮影にも挑んでいます。

記事一覧

  • 時のすずしさ (2015/8/31) 

     真夏の京都を訪ねた。今年の夏は全国的に記録が塗り変わるような猛暑続きで、古都を照らす光も、やはり熱く、強いものだった。盆地ゆえ、昼間の熱い空気をとじこめて、夜になってもむしっとして暑い。  しかし…

  • 広島の、あの道へ (2015/8/10) 

     この連載は、2009年の1月から始めたのだが、昨年末までの6年分を一区切りとして、フォトエッセー集「七つ空、二つ水」(キノブックス)にまとめた。その刊行記念イベントのために、久しぶりに広島を訪ねた…

  • つらぬく言葉 (2015/7/6) 

     6月9日の夜、東京の吉祥寺にあるライブハウス「曼荼羅(まんだら)」での福島泰樹さんの短歌絶叫ライブに参加した。福島さんの第一歌集「バリケード・一九六六年二月」の出版記念会が開かれた1970年に始ま…

  • 闇の中の希望 (2015/6/11) 

     5月の連休中に、日帰りで静岡を訪ねた。「ふじのくに⇄せかい演劇祭」というイベントの一環として上演された「盲点たち」という演劇を見にいくためである。

  • 花の雨 (2015/5/1) 

     今年の4月から、早稲田大文学学術院の客員教授として教壇に立つことになった。短歌を中心とした短詩型の歴史と表現方法や、小説の実作指導などの授業を行っていく予定である。  私が学生だった、昭和時代の早…

  • 春に想う (2015/4/9) 

     東日本大震災から4年の月日がたった。また今年は、阪神大震災、そして地下鉄サリン事件から20年にあたる。これらの忘れ難い出来事は1月から3月にかけて起こった。春という芽吹きの季節は、命についてより深…

  • 水をめぐる心 (2015/3/6) 

     年明けすぐに降った雪がまだ残る、京都の貴船神社を訪ねた。出町柳から叡山電鉄に乗って30分ほど揺られて到着する貴船口から、さらに30分ほどかけて歩いていったところにある。この神社は、神武天皇の母親の…

  • 空が美しいだけで (2015/2/4) 

     2015年の年越しは、東京の自宅でのんびりと過ごした。家族とお祝いのお屠蘇(とそ)を交わし、お節料理の朝食を食べたあと、初詣に出かけた。  お正月は、さすがにあらゆる会社が休んでいて、街はとても静…

  • 祈りの色 (2014/12/29) 

     先月末、京都を訪ねた。ちょうど紅葉のさかりで、うつくしい色を重ねる木々にすっかり魅了されてしまった。嵯峨野にある二尊院では、参道の坂と階段の両脇の楓(かえで)の赤やオレンジや黄色の葉が、降雨の後の…

  • 連なり、生まれる (2014/11/28) 

     先日、静岡県三島市に連泊し、「しずおか連詩の会」に参加した。「連詩」というのは、詩人の大岡信さんが提唱した詩の形式で、短い詩をリレー形式で連ねて作成する、複数の作者による詩作品のことである。大岡さ…