趣味・食・遊ぶ

言ノ葉ノ箱
歌人、作家として活動する東さんが短歌を通じて綴るエッセー。1963年、広島県安佐町(現広島市安佐北区)生まれ。96年、第7回歌壇賞受賞。歌集に『春原さんのリコーダー』『青卵』(ともに本阿弥書店)、小説『長崎くんの指』(マガジンハウス)、『とりつくしま』(筑摩書房)、『ゆずゆずり』(集英社)、『薬屋のタバサ』(新潮社)、『らいほうさんの場所』(文藝春秋)、『甘い水』(リトルモア)、絵本『あめ ぽぽぽ』『ほわほわさくら』(ともにくもん出版)、エッセー集『今日のビタミン*短歌添え*』(本阿弥書店)、詩歌集『回転ドアは、順番に』(穂村弘と共著/ちくま文庫)、などがある。「言ノ葉ノ箱」ではカメラ撮影にも挑んでいます。

記事一覧

  • 水と陸の間を生きる (2014/6/24) 

     北海道旭川市に講演に行った折、旭山動物園に立ち寄った。この日の旭川は、6月上旬にもかかわらず真夏のような日差しが降り注ぎ、日中は30度をゆうに超えた。ただし、同じ30度超えでも、本州に比べて、湿気…

  • 鉱山の町 (2014/5/27) 

     子どもの頃に住んでいた団地の裏の塀の向こう側に、洋館があった。塀をよじのぼって眺めると、広い庭には草が生い茂り、ゆがんだ窓枠の隙間から暗い室内が見えた。子どもたちはみなその洋館のことを「おばけ屋敷…

  • 京都の桜 (2014/5/2) 

     4月のはじめ、桜の咲きほこる京都に出掛けた。あいにく「花冷え」の言葉通り、冬に逆戻りしたようなひんやりした風が吹き、空からはぱらぱらとつめたい小糠(こぬか)雨が降ってきたが、やさしい色の花々は不満…

  • 舞台化された穂村弘 (2014/4/3) 

     今月はじめに、藤田貴大さん演出の舞台「マームと誰かさん・よにんめ 穂村弘さん(歌人)とジプシー」を原宿のVACANTで見た。藤田さんが主宰する演劇団体「マームとジプシー」と穂村弘さんとのコラボレー…

  • 雪の力 (2014/2/26) 

     今年の2月、関東でたて続けに大雪が降り、めったに雪の積もらない都心でも積雪が30センチ近くになった。鉄道は運休し、道路は閉鎖され、交通網がたちまちまひし、混乱が生じた。また、雪の重みで電線が切れ、…

  • パリと与謝野晶子 (2014/1/29) 

     昨年の年末に、フランス国立東洋言語文化研究所の、日本文化についてのシンポジウムに招かれて、フランスを訪ねた。工夫をこらしたクリスマスの装飾が美しいパリの街を歩きながら、100年前にこの地を踏んだ与…

  • 水辺の鳥たち (2013/12/26) 

    冬が来ると、北国から渡ってくる鳥が増えて、水辺もにぎやかになる。 名にし負はばいざこと問はむ都鳥わが思ふ人はありやなしやと   「伊勢物語」の中で在原業平が詠んだとされる歌である。ここに出…

  • 「言ノ葉ノ箱」執筆者、東直子さんのプロフィール (2013/12/2) 

    歌人、作家として活動する東さんが短歌を通じて綴るエッセー。1963年、広島県安佐町(現広島市安佐北区)生まれ。96年、第7回歌壇賞受賞。歌集に『春原さんのリコーダー』『青卵』(ともに本阿弥書店)、小…

  • 猫の墓 (2013/11/26) 

     東京都台東区に、谷中と呼ばれる地域がある。先日散歩をしていて、「山猫めをと塚」と彫られた大きな石塚に目が留まった。永久寺という寺の入り口にあるのだが、こんなに目立つ猫の墓は珍しい。

  • ニュータウンの歴史 (2013/10/29) 

     折にふれて訪ねる神社に、「記念碑」と大きな文字で彫られた石碑がある。和歌でも刻んであるのかと近づいてそこに書かれている文字をよく読んでみると、昭和の出来事を記念したものだった。