趣味・食・遊ぶ

言ノ葉ノ箱
歌人、作家として活動する東さんが短歌を通じて綴るエッセー。1963年、広島県安佐町(現広島市安佐北区)生まれ。96年、第7回歌壇賞受賞。歌集に『春原さんのリコーダー』『青卵』(ともに本阿弥書店)、小説『長崎くんの指』(マガジンハウス)、『とりつくしま』(筑摩書房)、『ゆずゆずり』(集英社)、『薬屋のタバサ』(新潮社)、『らいほうさんの場所』(文藝春秋)、『甘い水』(リトルモア)、絵本『あめ ぽぽぽ』『ほわほわさくら』(ともにくもん出版)、エッセー集『今日のビタミン*短歌添え*』(本阿弥書店)、詩歌集『回転ドアは、順番に』(穂村弘と共著/ちくま文庫)、などがある。「言ノ葉ノ箱」ではカメラ撮影にも挑んでいます。

記事一覧

  • 越中の歌 (2015/12/24) 

     今年開業した北陸新幹線に乗って富山を訪ねた。これまで東京から富山に向かうには、飛行機で行くか、電車を何度も乗り継いで行かなければいけなかったのだが、北陸新幹線なら直通で2時間あまり。清潔な外観と落…

  • ひそかな祈り (2015/11/17) 

     徳川時代に禁止されていたキリスト教の信者のことをキリシタンと呼ぶが、この言葉を聞くと、長崎の天草という土地が即座に思い出される。しかし大分県の竹田市にも多くのキリシタンがいた。日本八大布教地の一つ…

  • 文明の心 (2015/10/2) 

     群馬県高崎市にある、県立土屋文明記念文学館を訪ねた。この地が「上郊(かみさと)村」と呼ばれていた明治の半ばに生まれた文明は、斎藤茂吉から歌誌「アララギ」の編集発行人を引き継ぎ、平成2(1990)年…

  • 時のすずしさ (2015/8/31) 

     真夏の京都を訪ねた。今年の夏は全国的に記録が塗り変わるような猛暑続きで、古都を照らす光も、やはり熱く、強いものだった。盆地ゆえ、昼間の熱い空気をとじこめて、夜になってもむしっとして暑い。  しかし…

  • 広島の、あの道へ (2015/8/10) 

     この連載は、2009年の1月から始めたのだが、昨年末までの6年分を一区切りとして、フォトエッセー集「七つ空、二つ水」(キノブックス)にまとめた。その刊行記念イベントのために、久しぶりに広島を訪ねた…

  • つらぬく言葉 (2015/7/6) 

     6月9日の夜、東京の吉祥寺にあるライブハウス「曼荼羅(まんだら)」での福島泰樹さんの短歌絶叫ライブに参加した。福島さんの第一歌集「バリケード・一九六六年二月」の出版記念会が開かれた1970年に始ま…

  • 闇の中の希望 (2015/6/11) 

     5月の連休中に、日帰りで静岡を訪ねた。「ふじのくに⇄せかい演劇祭」というイベントの一環として上演された「盲点たち」という演劇を見にいくためである。

  • 花の雨 (2015/5/1) 

     今年の4月から、早稲田大文学学術院の客員教授として教壇に立つことになった。短歌を中心とした短詩型の歴史と表現方法や、小説の実作指導などの授業を行っていく予定である。  私が学生だった、昭和時代の早…

  • 春に想う (2015/4/9) 

     東日本大震災から4年の月日がたった。また今年は、阪神大震災、そして地下鉄サリン事件から20年にあたる。これらの忘れ難い出来事は1月から3月にかけて起こった。春という芽吹きの季節は、命についてより深…

  • 水をめぐる心 (2015/3/6) 

     年明けすぐに降った雪がまだ残る、京都の貴船神社を訪ねた。出町柳から叡山電鉄に乗って30分ほど揺られて到着する貴船口から、さらに30分ほどかけて歩いていったところにある。この神社は、神武天皇の母親の…