運動部デスク日誌

色あせぬ名場面

2021/2/11

 スポーツの名場面は、年月がたっても鮮明に覚えているものである。現在、中国新聞朝刊で連載中の「カープ70周年 70人の証言」。11日付は2018年で、証言するのは現楽天の下水流だ。下水流といえば、リーグ3連覇への道筋をつくった、あの一打。思い出すと、今でも胸が熱くなる。
 18年7月、西日本豪雨により、広島県は甚大な被害を受けた。直後に予定されていたマツダスタジアムでの3試合が中止となった。豪雨以降初の主催試合となった同月20日の巨人戦。8―8の延長十回で巨人に勝ち越された。直後の攻撃、下水流が右翼ポール際に逆転サヨナラ2ラン。この劇的な一発で波に乗り、カープは巨人を3タテ。リーグ3連覇に突き進んだ。下水流のサヨナラ弾は、同年の最も劇的なサヨナラ打を放った打者を選ぶ「スカパー! ドラマティック・サヨナラ賞」の年間大賞に輝いた。
 当時、下水流は「被災された方やファンに勝利を届けたい思いが乗った本塁打」と話した。広島の人を勇気づけた一打と言っても過言ではない。広島が立ち上がろうとしている時に、支えになるのがカープだということを、あらためて実感した。
 下水流は今季、9年目のシーズンを迎える。3月で東日本大震災から10年。次は東北の人の記憶に残るプレーを期待したい。
(下手義樹)


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