運動部デスク日誌

スポーツ選手における個人情報とは

2021/2/25

 先週、日本陸上競技連盟から驚きのリリースがあった。「アスリートの身長・体重の情報収集および各媒体への掲載は基本的に控えるようお願いする」という通知を本連盟加盟団体、協力団体等に通知したというものだった。つまり、選手の身長・体重のデータは今後、主催者から発表されなくなるというのである。
 陸連の説明はこうだ。
 ・個人情報の管理がより一層強化される中で情報の整理、管理、取り扱いの見直しが進んでいる。
 ・身長・体重は陸上競技の大会運営上必要な要素ではない。
 ・受験や就職での体格のヒアリングやコンテストにおける身長、体重の公開について、度々人権上の問題提起がされている。
 ・女性アスリートの利用可能エネルギー不足、視床下部性無月経、骨粗しょう症が課題である中、身長・体重及びBMI指標などに注目が集まり、数値だけ独り歩きしてしまう。
 ・ワールドアスレティックスでも、公式サイト内のプロフィール等では身長・体重を非公開としている。他の競技でも非公開としている競技がある。
 「これも時代の流れ」と納得する人もいれば「スポーツとデータは切り離せないのに」と首をかしげる人もいるだろう。陸上担当経験者として言わせてもらえば、確かに身長・体重が記事の中で必要なケースはあまりないように思う。報道する上で、大きな混乱が起こることもないだろう。
 懸念するのは、この動きが他の競技団体に一気に波及してしまわないかということである。スポーツとはいっても、全てをひとくくりにはできない。バレーボール、バスケットボールであれば身長、ラグビーでいえば体重などは競技を伝えるための欠かせない要素であろう。大切なのは議論を重ねること。安易に時代の流れに乗ってしまうことがないよう、願っている。
(小西晶)


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