運動部デスク日誌

勝ち点1の落とし穴

2021/3/17

 サッカーというスポーツで、勝ち点1という結果はいろいろな見方がある。一つ例を挙げれば、「勝てなかった」のか「負けなかったのか」。どちらの立ち位置に身を置くかで、同じ結果でも、笑顔にもなれれば泣きたくもなるわけだ。

 こんな話をするのは、17日に清水と対戦するサンフレッチェ広島が「ドロー沼」に入り込んでいるからにほかならない。全4試合で先制しながら、現在1勝3分け。横浜M、鹿島との引き分けは「負けなかった」と前向きに捉える声も少なくはない。ただ、「逃げ切れない」というジレンマがチームを侵食し始めているのも事実だろう。

 思い出すのは、2004年シーズンである。30試合を戦い、勝利はクラブ史上ワースト2の6勝。それでもJ2降格危機を逃れたのは、当時のJ1記録となる13引き分けが結果的に効いたから。時の指揮官は「負けなかった」「この勝ち点1は大きい」「上位チームと対等に戦えた」と強気な言葉を並べ続けた。

 あの時、最後の最後まで「ドロー沼」を抜け出せなかったのは、「勝てなかった」という現実と真剣に向き合おうとしなかったからではないか。17年経った今もそう感じている自分がいる。勝ち点3を逃したのは何が足らなかったからか。そのことをもっとフィードバックしていれば、これほど引き分けを重ねることも、J2降格争いに巻き込まれることもなかったかもしれない。

 担当記者によれば、今のチームには、「勝ちきれなかった」という悔しさが満ちていると聞く。それがある限り、チームは前へ進めるはずだ。清水戦のキックオフを楽しみに待つ。(小西晶)


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