運動部デスク日誌

父子2代で「SAMURAI BLUE」

2021/3/19

 新型コロナウイルス感染拡大後、国内で初の試合に臨むサッカーの日本代表23人が18日、発表された。サンフレッチェ広島の川辺ら初招集は8人というフレッシュな陣容。その中に注目したい選手がいる。神戸のGK前川黛也(だいや)=写真左=だ。広島・皆実高出身で、父はサンフレや日本代表で一時代を築いた前川和也さん=同右。1993年にJリーグが誕生して以来、親子での日本代表選出は聞いたことがない。
 父子ともに、その時代のGK像を象徴するプレースタイルだ。90年代に活躍した父は体を張ったセービングでゴールを守り、まさに「壁」となっていた。PK戦では神懸かり的なセーブを連発。けがも多かったが、そのたびに復活し、「不死鳥」とも呼ばれた。
 息子は191センチと父譲りの長身だがスタイルは異なる。広い守備範囲に正確なキックが持ち味だ。GKから攻撃を組み立てる現代のサッカーにマッチしている。昨年から神戸で正GKとなり、アジア・チャンピオンズリーグ(ACL)4強に貢献した。
 神戸入りが決まった2016年、当時関大4年の黛也を取材したことがある。「物心ついた頃から父の勇姿に憧れていた」と言ったのが印象に残っている。父と同じJリーガーとなり、父も着た日本代表のユニホームに袖を通す。父もうれしいだろう。また、息子を預けるのが、父の僚友だった森保一代表監督。何か縁を感じる。
 個人的にもうれしい。現役時代の父を取材していた時、息子はまだよちよち歩き。それから20年後に息子を取材する機会がめぐってきた。記者冥利(みょうり)に尽きる。一方で、私も年をとったなあ、とも実感する。
(下手義樹) 


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