運動部デスク日誌

栗林へと受け継がれる「つなぐ精神」

2021/3/28

 27日のマツダスタジアム。九回のマウンドで広島のルーキー栗林良吏が躍動した。三者凡退に抑え、広島の新人では史上5人目となるプロ初登板初セーブを記録。「チームがつないでくれた」と感謝を口にした。ベンチでは、2番手森浦、3番手塹江も顔をほころばせていた。

 「中継ぎの仕事はバトンリレー」。使い古された例えではあるが、この言葉を強く意識したのは2006年シーズンだった。前年の防御率は4・80。投壊状態のブルペン陣を束ねたのは、当時の清川栄治投手コーチ。中継ぎの専門家集団をつくるための第一歩として、「この仕事に誇りを持たせる」と話していたのを思い出す。

 行ったことはシンプルだった。一人一人の仕事、役割を明確にし、責任を持たせること。そして、それぞれの働きが一つになって、初めて「仕事」が成し遂げられるという一体感を植え付けること。「次は任せた」という気持ちを感じてもらうために、ブルペンで肩をつくるのは基本的に一人にした。「全員でバトンをつないでいけば、いい結果になる。一つ一つの勝利がその自信になっている」。そう言って喜んでいた。

 中継ぎの頑張りは投手全体の意識を変え、防御率はわずか1年で0・84も改善した。その時のブルペンを支えていたのが、永川勝浩、横山竜士両投手コーチである。あれから15年。受け継がれてきた「つなぐ精神」は、平均年齢24・5歳の個性豊かな救援陣を強固な「一枚岩」へと変えていく。(小西晶)


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