運動部デスク日誌

攻めの守り

2021/4/8

 広島の菊池が2日のDeNA戦で失策し、連続守備機会無失策記録が569で止まった。ボテボテの打球に猛チャージして捕球にいったが、球をはじいた。「あれはヒットだろ」「捕って投げていても間に合わない」。多くのファンや野球解説者が声を上げていた。翌日には広島だけでなく、DeNAも内野安打への訂正を求めて日本野球機構(NPB)に要望書を提出したが、検証の結果、判定は覆らなかった。
 菊池は翌日、このプレーを振り返り「待って捕って内野安打になるくらいなら、攻めてチャレンジした方が投手も納得できるかなと思う。僕的にはいつも通りのプレー」と強調。失策が全国的なニュースになることが、菊池のすごさを物語っている。
 菊池のコメントから読み取れる「攻めの守り」は、リーグ3連覇を果たす前から垣間見ることができたことを思い出す。鈴木が右翼のレギュラーに定着した頃、右前への飛球にダイビングキャッチを試みたが、キャッチできずに走者の生還を許したことがあった。試合後、当時の外野守備・走塁担当だった河田コーチが「誰に何と言われようとも俺は誠也を責めない。あの姿勢は評価したい」と声を大にして言ったことがあった。田中が遊撃の定位置をつかんだ頃、失策がかさんだ時期に「自分の持ち味は前に出るプレー。それだけは変えない」と言い切った。
 失敗を恐れず果敢にチャレンジする「攻めの守り」。チームの士気を高め、球場のボルテージも上がる。いまも根付いていることを実感できた。
(下手義樹)


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