運動部デスク日誌

マスターズV 松山の頂に挑む金谷

2021/4/14

 一夜明けても、興奮の余韻が消えない。それほどの快挙だったということだろう。プロゴルファー松山英樹のマスターズ制覇。数々の報道に触れながら、「ポスト松山」の存在が頭をよぎった。いや、ポストなんて言葉を使うと、「俺は俺」と叱られるかもしれない。昨秋プロに転向した金谷拓実である。

 呉市出身の22歳。彼のプロへの歩みは、不思議と松山の足跡と重なる。東北福祉大2年の2018年、アジア・パシフィックアマを制し、翌19年のマスターズに出場。日本人アマとしては松山に次ぐ2人目の参戦だった。同年8月には松山以来日本人選手2人目となるアマ世界ランク1位に。11月の「三井住友VISA太平洋マスターズ」での優勝も、アマ選手としては11年の松山以来の快挙だった。

 金谷にとって、松山は尊敬する大学の先輩。ただ、そこに「憧れ」や「目標」といった形容詞がつくといい顔をしない。「松山の背中を追う」といった表現や、比較されることも嫌がるのだという。それは「尊敬する先輩でも、倒さなければならないライバル」という強烈な自負心の表れだろう。松山が金谷に目を掛けているのも、自分と同じ匂いを感じ取っているからではないか。

 松山は優勝後のインタビューで「僕が勝ったことによってこれから先、日本人が変わっていくんじゃないかな」と語った。誰に向けられた言葉だったのか、金谷自身が一番感じていよう。目標の東京五輪出場を果たし、将来の主戦場と考えている欧米のプロツアーへ。「全部勝つつもりで頑張りたい」。15日開幕の国内ツアー今季初戦から、金谷の戦いが始まる。(小西晶)


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