運動部デスク日誌

新風

2021/4/17

 この日を待ちわびたファンは多いだろう。広島東洋カープの4年目、中村奨成が16日の中日戦で1軍に昇格。「2番・左翼」でプロ初先発。三回にプロ初得点をマークすると、五回にはプロ初安打となる左翼線二塁打を放った。走攻守にはつらつとしたプレーはチームに新風を吹き込み、連敗ストップに一役買ったと言えよう。
 2017年のドラフト取材を思い出した。広島は夏の甲子園で大会6本塁打の新記録を樹立した、地元広陵高の中村奨の1位指名を公表。競合が予想され「外れ1位」候補に挙がっていた、社会人野球ヤマハ(静岡県磐田市)の即戦力右腕、鈴木博のもとで待機することになった。
 ヤマハの会見場に設置されたモニターで会議を見守った。予想通り、中村奨は広島と中日の抽選に。当時の緒方監督が「交渉権確定」のくじを引き当てたシーンが流れると、心の中で思わずガッツポーズした。そして抽選を外した中日は1位で鈴木博を指名。
 それから4年後、その鈴木博からプロ初安打を放った。もしも抽選結果が逆だったら、お互い違うユニホームを着ていた可能性もあった…。不思議なものを感じるが、広島が生んだ高校野球界のスターはカープで―。広島ファン共通の思いがあった。緒方前監督が当たりくじを引き当ててよかった、としみじみ思う。
 村上(ヤクルト)安田(ロッテ)清宮(日本ハム)らが同学年。中村奨はようやく第一歩を踏み出した感じだ。次は初本塁打に、初マスクか。新風に期待は大きく膨らむ。(下手義樹)


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