運動部デスク日誌

救世主となるか

2021/4/19

 「クロンがすごいホームラン打ったで。こりゃ1軍近そうじゃ」。16日、ウエスタン・リーグの阪神戦(鳴尾浜)に取材に行ったベテラン記者から報告を受けた。コンディション不良で登録を抹消され、バックスクリーン直撃の特大弾を含む、3安打。ただ、昇格は早くても20日からのヤクルト戦では、と現場の記者は読んでいた。その2日後、1軍の中日戦を取材中の若手記者から興奮気味に電話が。「クロンが1軍に合流しました」。予想外のスピード昇格に驚いた。そして、1軍復帰戦でいきなりヒーローとなった。
 二回の先制打に、八回の逆転二塁打。2安打3打点の活躍だった。バット以外の印象に残ったことがあった。六回の一塁守備。ゴロを取り損ねたことをきっかけに逆転を許し、3年ぶりの登板だった高橋昂の勝ちを消してしまった。クロンは高橋昂に謝ったといい、自らのバットで返してみせた。「フォア・ザ・チーム」の思いが伝わった。
 巨体に豪快な打撃。あふれるチーム愛。選手、ファンに愛されたエルドレッドとダブる。ファンも同じ思いだろう。クロンが打てばベンチも盛り上がる。打線の起爆剤としてだけでなく、チームのムードも高めることができる。背番号10に救世主となり得る可能性を感じた。(下手義樹)


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