運動部デスク日誌

欧州サッカー界の行方

2021/4/23

 世界に名だたる12のビッグクラブの野望は、あっけなく終わりを迎えそうである。2日前の当欄で取り上げた、欧州サッカー界を揺るがす「スーパーリーグ(ESL)」創設。あまりの反発の大きさにひるんだクラブが相次いで撤退を表明し、事実上の撤回に追い込まれた。
 失敗した最大の理由は、本心を見透かされたからだろう。ESL会長でもあるレアル・マドリードのペレス会長は狙いについて、強豪クラブだけのリーグで質の高い試合を提供し、ファンやスポンサーの注目を取り戻すためと説明。「サッカー界を救うためのリーグだ」と強調していた。
 しかし、誰もその説明をうのみにはしていない。現存のチャンピオンズリーグ(CL)では数千億円とも言われる放映権収入を、ESLをつくって自分たちだけで独占しようという経営者のエゴを感じ取ったのである。
 一部のエリートだけのリーグという発想も、昇降格があるピラミッド式のリーグ戦という伝統を軽視していると反発を招いた。ESLの発表後、監督や選手が相次いで反対の声を上げた。いかにサッカーの価値を損なう計画であるかを物語っている。
 日本は長らく欧州サッカーを一つのロールモデルとしてきた。しかし、近年の移籍金や放映権収入などのニュースを見ていると、欧州ではあまりにビジネスの側面が強すぎるように映る。お金で全てが決まるようでは、スポーツの面白さが失われてしまう。(日野淳太朗)

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