運動部デスク日誌

糸の切れたたこ

2021/4/26

 「糸の切れたたこ」という表現がぴったりくるかもしれない。バスケットボール男子Bリーグ1部(B1)の広島ドラゴンフライズがまた負けた。西地区中位の滋賀にあっさりと連敗し、今季44敗目。チームは何を目指しているのか。どこに向かおうとしているのか。その戦いぶりから、何も伝わってはこなかった。

 こんな緊張感のない試合が続いてしまっている責任はクラブだけにあるとはいえない。「コロナ禍でのシーズンだけに、昇格はあっても降格なし」というクラブにとってはありがたいリーグ事情も影響していよう。優勝やプレーオフ争いからは蚊帳の外でも、降格争いがあれば、消化試合はなくなるからだ。

 それは、サッカーJリーグの歴史が証明している。サンフレも何度も残留争いを経験し、2度降格した。勝ち点1の差が運命を分けるギリギリの戦いに身を置くことで、選手の経験値は上がる。「われわれの声援でチームを支えよう」とサポーターや地域の熱も高まった。そのような環境がBリーグ、ドラゴンフライズにあったなら、今もたこ糸は切れていなかったかもしれない。

 幸か不幸か、Bリーグは来季も「昇格あり、降格なし」のシーズンになる。チーム数が増える分、優勝やプレーオフ争いからはじき出されたチームによる消化試合は今季よりも確実に増えるだろう。それが、リーグの発展を妨げることにはならないか。むなしく空を泳いでいる「トンボ」の姿に、強い疑問を感じている。(小西晶)


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