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2021ひろしまフラワーフェスティバル(関連ニュース・話題)

夫のカスミソウ、小さな幸せ【花の力】

2021/4/29
4月半ば、健さんが散髪帰りに買って帰ったカスミソウやカーネーション(撮影・高橋洋史)

4月半ば、健さんが散髪帰りに買って帰ったカスミソウやカーネーション(撮影・高橋洋史)

 ▽散髪帰り購入 今では子育てに潤い

 広島市南区の主婦知子さん(46)=仮名=の家には花が欠かさず飾ってある。夫の健さん(49)=同=が月に1度の散髪帰り、必ず買って帰るからだ。今月半ばからは、白いカスミソウやピンクのカーネーションが台所の窓辺を彩る。

 健さんの「習慣」が始まったのは3年ほど前。2人目の子どもを妊娠中だった知子さんは当時、夫が花を買ってくることを正直、煩わしく思っていた。つわりがひどく、起き上がるのもやっと。「手入れが大変。買ってこんでいい」と何度も口をついて出た。出産後は子育てに追われ、花を渡された時に「欲しいのはこれじゃない」と思うこともあったという。

 けれども今、知子さんは健さんの散髪と花のプレゼントを心待ちにする。きっかけは新型コロナウイルス禍だ。幼いわが子を連れて行動する範囲はぐっと狭まり、日用品の買い物くらいしか外出しなくなった。起伏のない日々。夫が毎月買い替えてくれる花に自然と意識が向くようになった。

 スーパーに行く際の新たな楽しみも生まれた。「この調味料の瓶は花瓶になるかな、とか想像しながら買い物するのが案外楽しいんです」

 一方の健さん。「つわりに苦しむ妻に少しでも明るい気分になってほしい」と花を買い始めたという。やめてと言われても静かに受け止めてきた。今では花選びが楽しみになり、色や形に加えて、花言葉も意識する。よく買い求めるのはカスミソウ。花言葉は「幸福」「感謝」だ。

 夫婦には今、共通した思いがある。「子どもたちが大人になった時、うちにはいつも花が飾ってあったと思い出してほしい」。次の散髪は5月13日。それまでに知子さんは、台所にしまってあるトマトソースの瓶を空けておこうと考えている。次はどんな花だろう。日常の小さな喜びと幸せを花が教えてくれる。(新本恭子)

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