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2021ひろしまフラワーフェスティバル(関連ニュース・話題)

元気もらいツリガネソウ栽培生きがい 大竹の松本さん、見舞い機に【花の力】

2021/5/1
自宅の庭でツリガネソウに水をやる松本さん

自宅の庭でツリガネソウに水をやる松本さん

 いつからか、その花を育てることが生きがいになっていた。大竹市玖波の松本登代子さん(72)は約40年間にわたり毎年、自宅の庭にツリガネソウを植え続けている。「何度見ても、最初に見た時の感動が薄れることはないの」。腰丈まで伸び、つぼみを付けた苗を前に目を細めた。

 廿日市市の家具メーカーに勤めていた30代の頃、春先に突然息苦しさに襲われた。頭は重く、耳が詰まったような違和感があった。病院に行っても原因は分からない。「何もやる気が起きなかった」。仕事は休みがちになった。

 自宅で寝込んでいたある日、男性の先輩が見舞いに来てくれた。手には、自宅で育てたというツリガネソウの切り花。「無理するなよ」と渡されると、涙があふれた。「気遣ってくれる人がいることが分かってうれしくて」。沈んだ気持ちも忘れ、夜中まで淡い紫の色合いに見とれた。しおれても花瓶に生け続けた。花が力をくれたのか、体調は徐々に回復。2週間後、職場に復帰できた。

 その翌年からツリガネソウを育て始めた。植え付け時期の11月になると、園芸店で苗を探すのが恒例だ。

 花を見ていると心和む。力をもらえる。育てた花は近所に配ったり親戚に渡したり。自分と同じように、花を手にして笑顔になる人を見るのがうれしい。「元気のお裾分けなんです」とほほ笑む。

 例年、咲き始めるのは5月末ごろだが、ことしは「ぬくいから少し早く咲きそう」と松本さん。小さな淡い紫の花にまた出会えることを待ちわびている。(坂本顕)

昨年、松本さんの自宅で咲いたツリガネソウの花

昨年、松本さんの自宅で咲いたツリガネソウの花

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