運動部デスク日誌

「前へ」の思いだけでは…

2021/5/2

 「前へ」の号令だけで攻撃力がアップするのなら、どれだけ楽しいことだろう。「リスクを負ってでも攻撃的にいく」。そんな覚悟で今季を迎えたサンフレッチェが、ドツボにはまっている。5試合勝利から見放され、その間の得点はわずか2。内容も含め、とても攻撃的とは呼べまい。
 攻撃に比重を置いたスタイルへの転換に異論はない。その反動で、これまで築いた堅守が揺らぐのも仕方ない。その結果、勝てない時期があっても受け入れるしかない。そんな簡単に攻撃サッカーが成就するわけないのだから。心配なのは、どう点を取るのかという方法論が少ないこと。掛け声だけで点は取れない。
 前線からの積極的な守備から攻撃に転じ、ショートカウンターで相手ゴールに迫る。これが今の戦い方なのは分かる。しかし、それだけで得点力アップが図れるほど甘くはない。本当に攻撃スタイルを追求するならば、アタッキングサードでどう相手を崩すのか、チームとして徹底的に突き詰めるべきだろう。現状は個人頼みにしか見えない。
 サンフレが「攻撃的」と言われていた時代、ゴールへの道筋をチームとしていくつも共有し、練習から突き詰めていた。それこそ時には口論になるくらいに。試合では思う通りにいかない方が多かったが、それでも見ていて意図を感じられたし、そのぶん期待も持てた。今は「新スタイルへの生みの苦しみ」と前向きになれる要素を見いだせない。(日野淳太朗)


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