運動部デスク日誌

東京五輪開幕までの2カ月間

2021/5/23

 五輪担当も思わず苦笑していた。21日にあった国際オリンピック委員会(IOC)調整委員会での会見。ジョン・コーツ調整委員長が新型コロナウイルスの緊急事態宣言が発令された状況でも大会開催が可能との認識を示した。国内の感染状況が厳しさを増す中での強気な発言に、「このタイミングで言うか」とため息が出た。

 東京開催を疑問視する声は日に日に大きくなっている。火に油を注ぐような発言に、不快感を覚えた人も多かっただろう。ただ、私が気になったそこではない。五輪を実施する理由に、「アスリートのため」と語ったことだ。

 不適切な発言に思えてならない。金藤理絵さんの言葉を借りれば、選手たちは今、「五輪開催を信じて、それに向かって一歩一歩頑張っているだけ」。中止となるかもしれない、開催されたとしても、国民に理解されないかもしれない。さまざまな思いと葛藤を抱えながらも、大会がある以上、頑張るしかないという苦しい立場にある。

 今回のコーツ委員長の発言で、「ならば、アスリートが中止の声を上げてくれれば」と思う人が増えたとしたら。大会に向けての発言を批判されたり、開催までの騒動に巻き込まれたりする危険性もある。
 
 東京五輪まで23日で2カ月となった。これから代表選考会に挑む者も含め、アスリートにとっては、競技人生を懸けた時間と言ってもいいだろう。観客、ワクチン接種、医療体制…。開催に向けての問題は山積みだが、選手には競技に集中できる環境を整えてあげたい。切に願っている。(小西晶)  

#東京五輪・パラ


  • 前の記事へ
  • 次の記事へ

 あなたにおすすめの記事

記事一覧